柱状節理の渓谷美「道元峡と層雲峡」
(尾花沢市)
真夏の早朝、朝靄が漂う渓谷にせせらぎと鳥のさえずりが響く。沢靴に履き替えエメラルドグリーンの川面に分け入る。川水が冷たくて心地よい。
日本200名山に数えられる御所山(船形山)の尾花沢登山口から山頂へ向かう山形県屈指の沢登りコースが「道元峡と層雲峡」だ。
繰り返される渡渉(二十数回)と、次々と現れる足の置き場も無いような岸壁のクサリ場を越えなければならず、誰もが気軽に訪れることができる場所ではない。
しかし、ミルキーブルーの水流、小さな滝の数々、狭小なゴルジュ、材木岩をはじめとした柱状節理の岩面の美しさと、柱状節理の断面を歩けるという体験は、難コースに挑んだ者のみへのご褒美だろう。
全身ずぶ濡れで、ドキドキハラハラ続きの難コースだが、腕に覚えのある方には是非チャレンジしてほしいマイナールートだ。